みなさん、こんにちは!清工舎ベトナムの屋外広告専門アドバイザー、竹田です。
ベトナムのビジネス環境において、法制度や税制のアップデートは企業のマーケティング戦略の成否を分ける極めて重要な要素です。近年は屋外広告(OOH)の厳格化だけでなく、TikTok ShopやShopeeなどを舞台にしたSNS通販・ライブコマースに対する広告規制や「税務当局による課税・データ捕捉の強化」が急速に進んでいます。
今回は、実務担当者が直面する「新法令と税制のポイント」、それが現地のBtoC市場に与える影響予測、そして企業が取るべき具体的な対策案について分かりやすく解説します!
1. 2026年以降のOOH(屋外広告)法制:ここが変わった!
これまで多くの企業は「空いている場所を探して看板を建て、運用する」という発想で進めがちでしたが、新法令下ではこの法的ロジックが大きく転換しています。

- 「Quy hoạch(広告計画)」がすべての基点に:各省・直轄市が策定・公表する屋外広告計画に基づき、設置可能エリアや路線が事前に厳格に定められます。
- 「位置の既得権益(継承)」の消滅:過去に何年も運用実績がある看板であっても、計画変更時には自動的な存続が認められず、新基準での再審査が行われます。
- 安全性と維持管理責任の厳罰化:構造体やデザインの標準化に加え、破損時の速やかな撤去や防火安全に対する所有者・広告主の直接責任が明文化されました。
2. 特定商材(化粧品・サプリ・医薬品等)の広告ルール強化
特定商材に対する表示・広告要件が政令等で細かく標準化され、看板だけでなくSNSや販促物全体で虚偽・誇大表現への取り締まりが強化されています。

| 商品カテゴリ | 主な変更点・必須要件 |
|---|---|
| 化粧品 | ・製品効能は公表内容に厳密に従うこと。 ・医療機関、医師、薬剤師等の画像を利用した治療効果の誤認表現は厳禁。 |
| 健康保護食品(サプリ) | ・「Thực phẩm bảo vệ sức khỏe」の明記が必須。 ・医薬品と誤認させる表現の徹底排除。 |
| 医薬品(OTC等) | ・OOH等の屋外広告では、規定された必須情報(成分、メーカー名、「取扱説明書を読むこと」等)の掲出ルールを厳守。 |
3. SNS通販・ライブコマースへの「規制強化」と「税制のメス」
TikTok Shopをはじめとするソーシャルコマースの急成長を受け、当局は「広告表現」と「税金(徴税)」の両面から包囲網を敷いています。

① KOLの法的責任新設&ステマ禁止
インフルエンサー(KOL/KOC)が「広告伝達者」として法的に定義され、虚偽や誇大宣伝を行った場合はKOL本人も処罰対象となります。また、PR案件である旨の明記(#QuảngCáo 等)が義務化され、一般投稿を装うステルスマーケティングが禁止されました。
② ECプラットフォーム経由の「強制徴税・源泉徴収」
税務当局はプラットフォーム運営事業者に対し、出店者(セラー)やライブ配信者の売上データ共有を義務付け、プラットフォーム側での税金源泉徴収・代理納付の仕組みを強化しています。
4. BtoC市場への影響予測:何が起こるのか?

予測①:グレーな格安個人セラーの淘汰
税金を逃れて薄利多売していた個人セラーや並行輸入業者が次々と撤退を余儀なくされます。適正な納税やインボイス発行に対応できない小規模プレイヤーは姿を消していきます。
予測②:価格競争から「信頼・正規品」競争へ
課税コストが転嫁され市場全体の末端価格が正常化する結果、「単に安いもの」から「信頼できる公式ブランド」「正規保証がある商品」へと消費者の選択基準が劇的にシフトします。
5. BtoC企業が取るべき【勝ち残り対策案】

✅ 今すぐ実践すべき3つの対策
- サプライチェーン・電子インボイス(Hóa đơn điện tử)の完全整備: 正規輸入・流通ルートを確立し、BtoC取引でも即時かつ正確にインボイスが発行できる体制を整えること。
- KOL契約におけるコンプライアンス条項の刷新: インフルエンサーとの契約書に「事前承認スクリプト以外の口頭訴求の禁止」「個人所得税の適正処理」を明確に盛り込む。
- リアルな「街頭ブランディング(OOH)」による公式感の確立: 主要交差点の大型ビルボードや大型商業施設LEDなど、実体のある屋外広告を展開し「正規ブランドとしての圧倒的な信頼性・安心感」を消費者に植え付ける。
6. さいごに:新法令時代を味方に付けるプロモーション戦略
広告法や税制の引き締めは、正しく法令遵守体制を整えている真っ当な日系企業にとっては、「不当な安売り競合が淘汰され、ブランドの本質的価値で勝負できる絶好のチャンス」でもあります。
「自社のプロモーション表現や流通体制は新基準に適合している?」「リアルな屋外広告を組み合わせてブランドの信頼度を一気に高めたい」とお考えの企業様は、ぜひ私たち清工舎ベトナムにお気軽にご相談ください。ホーチミン・ハノイの現場から、安全で成果につながるマーケティング戦略をトータルでご提案いたします!
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記事内の引用元法令
1. Nghị định 163/2025/NĐ-CP(政令163/2025/NĐ-CP)
記事内で言及されている医薬品広告に関する具体的な規定(第103条、第104条など)は、薬事法(Luật Dược)の詳細を定める政令に基づいています。
名称: Nghị định 163/2025/NĐ-CP Quy định chi tiết thi hành một số điều của Luật Dược (薬事法の一部条項の施行詳細を規定する政令 163/2025/NĐ-CP)
※注記: 2026年の施行等を前提とした最新法令として記載されています。現状のベトナム薬事法関連の主要政令は「Nghị định 54/2017/NĐ-CP(および改正政令 Nghị định 155/2018/NĐ-CP)」であり、広告規制(第103条、104条等)の記載内容自体は既存の薬事法令の構造に合致します。
関連する政府公式データベース検索URL(Thư viện Pháp luật / LuatVietnam):
2. Luật Quảng cáo số 75/2025/QH15(改正広告法)
屋外広告(OOH)全般の規制、および特例や制限に関する大枠を定める法律です。
名称: Luật Quảng cáo số 75/2025/QH15 (広告法 75/2025/QH15)
確認URL(Thư viện Pháp luật):
3. Bộ Y tế (ベトナム保健省) の広告審査基準
記事内で言及されている「保健省に未承認の臨床研究データの引用禁止」や「効能・効果の厳格な審査」は、保健省(Cục Quản lý Dược: 医薬品管理局)のガイドラインに基づきます。
名称: Cổng Dịch vụ công Bộ Y tế / Cục Quản lý Dược (保健省 公共サービスポータル / 医薬品管理局)
確認URL:
※法令番号(2025年/2026年施行のもの)については、執筆時点でのベトナム政府の最新の法案可決・施行状況(またはVLOG記事設定上の近未来の法改正設定[cite: 3])に基づく内容が含まれているため、実際の条文原文を確認する際は上記のベトナム政府公式法律データベース(Thư viện Pháp luật等)にて最新の施行状況をご参照ください。
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